岩木山の登拝行事

【国指定重要無形民俗文化財】

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よみがな いわきさんのとはいぎょうじ
員数
文化財の概要
指定年月日 昭和59年1月21日
所在地 弘前市ほか
所有者・管理者 お山参詣保存会

津軽一円から岩木山に向かい、御来迎を拝んで帰還する集団登拝行事で、「お山参詣」「ヤマカゲ」などと呼ばれる。
古くは男性のみが登拝を許された。約10日前から精進潔斎に入り、御幣や幟などを仕上げ、また、出発までにお供え用の餅をつく。

旧暦7月末日、村落内の先達に伴われて出発し、数メートルにもおよぶ御幣・幟を捧持し、登山囃子に合わせて「サイギサイギ、ドッコイサイギ、オヤマサハツダイ、コンゴウドウサ、イーツニナノハイ、ナンムキンミョウチョウライ」と唱え言を歌いながら徒歩で岩木山神社に到着する。社前に供物・御幣・幟等を奉納し、ヤドで休憩する。
登拝者は夜中にヤドを出発する。登山口は岩木山神社に近い百沢口を利用する場合が最も多い。楼門脇の禊場で身を浄め、松明を持ち、「サイギサイギ…」と歌いながら真夜中に約8キロメートルの行程を4時間程かけて登山する。急斜面の難所を経て、錫杖清水で身を浄め、種蒔苗代で豊凶を占い、山頂に達して奥宮に御幣・御神酒などを奉納し、8月1日の御来迎を拝む。駆けるように下山して登拝の無事を岩木山神社に報告し、バダラ踊りをして帰途につく。

この登拝行事は、村落内の古老を先達に集団登拝するという形でなされ、幼少期に初登拝するのをよしとされているほか、途中の種蒔苗代で豊凶の年占を行い、奥宮の堂の神前で大騒ぎし、下山にあたって五葉松の一枝を折って帰るなど、よく古風をとどめている。収穫感謝や生業の無事を祈り、家内安全を願う地域的特色ある信仰行事の一つとして重要である。

問い合わせ先

担当:文化財課
電話:0172-82-1642